令和6年5月19日(日)午後3時より第十回奉納篝火狂言が開催されました。
記念すべき第十回を迎へた今回は、人間国宝野村萬先生、九世野村万蔵さん、万蔵さんの長男の六世野村万之丞さん、二男の拳之介さん、三男の眞之介さんの万蔵家三代をはじめ、萬狂言の皆様により、『長光(ながみつ)』『舟(ふね)ふな』『福の神』の三演目の狂言を演じていただきました。更に萬狂言の清水宗治さん(富山市八尾町在住)が、令和6年3月26日に日本能楽会より狂言方を代表して功労者としての表彰を受賞され、大拜殿にはその表彰状が飾られました。
そして舞台後方には今回も、草月富山県支部 藹(あい)の会(栂野惠秀代表)の皆様に、松や竹、季節の木花を用ゐて作られた特別奉納の作品が華を添へ、345名といふたくさんの観劇者が集ひ開催されました。
まづはじめに宮司が挨拶にて、御歳満九十四歳を迎へられた萬先生の藝一筋に精進される姿には、「第一回富山薪能」でお會ひしてから43年を経みした今でも尊崇の念は少しも変はらず、ここに記念すべき第十回を迎へられたことに感謝を申上げ、第一回から出演されてをります地元の清水宗治さんが日本能楽会から表彰を受け、本日特別に萬先生と『舟ふな』が演じられることは、富山の篝火狂言にとりまして記念すべきことであると挨拶し、次に野村万蔵さんより狂言や本日の演目についての解説がなされ、来場者一同で「福の神」の笑ひを行ふなどして、狂言に理解を深めながら、上演される当代一流の洗練された狂言を楽しみました。
野村万之丞、能村晶人、中尾史生による『長光』
野村萬、清水宗治による『舟ふな』
野村万蔵、野村拳之介、野村眞之介による『福の神』
上演終了後、萬先生に花束が手渡され、ありがたいご挨拶をいただきました。
会場にはたくさんの笑顔が溢れ、和泉流野村万蔵家三代による狂言を満喫いたしました。萬狂言の皆様をはじめ、御協力賜りました皆様に厚く御礼申上げます。ありがたうございました。