高邑登 命
昭和二十年七月十五日
比島ルソン島マニラ東方地区にて戦死
陸軍少年飛行兵第九期生
下新川郡舟見町出身
【高邑祥子様宛葉書】(発信地・所沢陸軍航空整備学校都筑隊近藤班)(「19・4・9」の書込みあり)
拝啓
元気なる事と思ひます。小生は今猛烈張切つて居ます。正に月月火水木金金。
戦時教育一〇〇パーセント。
乱筆ですが。
敬白
月月火水木金金…軍艦乗組員の海軍々人が「土曜日曜なしの猛訓練に励む」の通用語で海軍では大正十年頃から使はれてゐた。「月月火水木金金」の軍歌は昭和十五年、作詞者は高橋俊策海軍中佐。十六年十二月八日以降連日ラジオでこの歌が流され急に有名になつた。高邑登命は陸軍航空隊であつたが猛訓練に陸海軍の別はなかつたであらう。
【高邑祥子様宛葉書】(発信地・同前)(「19・4・17」の書込みあり)
拝啓
お便り有難う御座居ました。明十六日シヤシン帳取りに樽井の家に行きます。兄上も甲幹合格と何よりの事です。小生としても兄二人が幹部として国に報いて呉れるのは嬉しき極です。桜はまだ。矢張桜は日本の花です。今年が最期と思つて見ます。
草々
甲幹・・・予備役将校の候補者。甲種幹部候補生。乙種(乙幹)は予備役下士官候補者。